公布:平成14年3月28日広島市条例第39号
施行:平成14年4月1日(附則但し書き:平成14年5月1日)
(目的)
第一条 この条例は、暴走族による暴走行為、い集、集会及び祭礼等における示威行為が、市民生活や少年の健全育成に多大な影響を及ぼしているのみならず、国際平和文化都市の印象を著しく傷つけていることから、暴走族追放に関し、本市、市民、事業者等の責務を明らかにするとともに、暴走族のい集、集会及び示威行為、暴走行為をあおる行為等を規制することにより、市民生活の安全と安心が確保される地域社会の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 自動車等 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号。以下「法」という。)第二条第一項第九号に規定する自動車及び同項第十号に規定する原動機付自転車をいう。
二 少年 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第二条第一項に規定する少年をいう。
三 保護者 少年法第二条第二項に規定する保護者をいう。
四 公共の場所 道路、公園、広場、駅、空港、桟橋、駐車場、興行場、飲食店その他の公衆が通行し、又は出入りすることができる場所をいう。
五 暴走行為 法第六十八条の規定に違反する行為又は自動車等を運転して集団を形成し、法第七条、法第十七条、法第二十二条第一項、法第五十五条、法第五十七条第一項、法第六十二条若しくは法第七十一条第五号の三の規定に違反する行為をいう。
六 示威行為 多数の者が威力を示して行進又は整列をすることをいう。
七 暴走族 暴走行為をすることを目的として結成された集団又は公共の場所において、公衆に不安若しくは恐怖を覚えさせるような特異な服装若しくは集団名を表示した服装で、い集、集会若しくは示威行為を行う集団をいう。
八 暴走族追放 暴走族による暴走行為等の防止、暴走族への加入の防止、暴走族からの離脱の促進等を図ることにより、暴走族のいない社会を築くことをいう。
(本市の責務)
第三条 本市は、第十二条の規定による基本計画に基づき、暴走族追放に関する総合的かつ広域的な施策を策定し、これを実施する責務を有する。
(市民の責務)
第四条 市民は、この条例の目的を達成するため、前条の規定による施策に協力するよう努めなければならない。
(保護者の責務)
第五条 保護者は、暴走族が少年の健全な育成を阻害するおそれがあることを踏まえ、その監護に係る少年を暴走族に加入させないよう努めるとともに、当該少年が暴走族に加入していることを知ったときは、当該暴走族から離脱させるよう努めなければならない。
(学校、職場等の関係者の責務)
第六条 学校、職場その他の少年の育成に携わる団体の関係者は、その職務又は活動を通じ、相互に連携し、当該団体に属する少年を暴走族に加入させないよう努めるとともに、当該少年が暴走族に加入していることを知ったときは、当該暴走族から離脱させるよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第七条 自動車等若しくは自動車等の部品の販売又は自動車等の修理を業とする者は、本市が実施する暴走族追放のための施策に協力するよう努めるとともに、その事業活動において、暴走行為を助長することのないよう努めなければならない。
2 自動車等の燃料の販売を業とする者は、本市が実施する暴走族追放のための施策に協力するよう努めるとともに、その事業活動において、法第六十二条又は法第七十一条の二の規定に違反することが外観上明らかな自動車等の運転者に燃料を販売することにより、暴走行為を助長することのないよう努めなければならない。
3 衣服、はちまき、旗等(以下「衣服等」という。)に刺しゅう、印刷等(以下「刺しゅう等」という。)をすることを業とする者は、本市が実施する暴走族追放のための施策に協力するよう努めるとともに、暴走族の名称等を衣服等に刺しゅう等をすることにより、暴走行為又は暴走族のい集、集会若しくは示威行為を助長することのないよう努めなければならない。
(自動車等の運転者の責務)
第八条 タクシー、トラックその他の自動車等の運転者は、暴走行為を発見したときは、速やかに、その旨を警察官に通報するよう努めなければならない。
(自動車等の所有者等の責務)
第九条 自動車等の所有者又は使用者は、暴走族に自動車等を譲渡し、又は貸与して、暴走行為を助長することのないよう努めなければならない。
(暴走族の集合場所の所有者等の責務)
第十条 暴走族が暴走行為をする際に集合する場所又はい集、集会若しくは示威行為を行う場所の所有者又は管理者は、暴走族の集合等を禁ずる旨の掲示をするなど暴走族の集合等をさせないための措置を講ずるよう努めなければならない。
(道路管理者等の責務)
第十一条 道路を設置し、又は管理する者は、暴走行為が行われている道路について、暴走行為を防止する措置を講ずるよう努めなければならない。
(基本計画)
第十二条 本市は、暴走族追放のため、次に掲げる事項を内容とする基本計画を策定するものとする。
一 暴走族追放に係る啓発活動及び市民意識の高揚に関する基本的な事項
二 暴走行為をさせない環境づくりに関する基本的な事項
三 暴走族への加入の防止に関する基本的な事項
四 暴走族からの離脱の促進に関する基本的な事項
五 少年の居場所づくりに関する基本的な事項
六 前各号に掲げるもののほか、暴走族追放に関する基本的な事項
2 本市は、前項の規定による基本計画を策定し、又は変更したときは、これを公表するものとする。
(関係機関への要請)
第十三条 本市は、暴走族追放に関する施策の実施について、必要に応じ、関係機関に対して協力要請を行うものとする。
(保護者への要請)
第十四条 本市は、暴走族に加入していると認められる少年の保護者に対して、少年の健全育成の観点から当該少年を暴走族から離脱させるよう指導することを要請することができる。
(情報の提供等)
第十五条 本市は、市民、事業者等に対し、暴走族追放に関する施策の効果的な推進を図るため、情報の提供を行うとともに、必要な指導又は助言を行うよう努めるものとする。
(行為の禁止)
第十六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 公共の場所において、当該場所の所有者又は管理者の承諾又は許可を得ないで、公衆に不安又は恐怖を覚えさせるようない集又は集会を行うこと。
二 公共の場所における祭礼、興行その他の娯楽的催物に際し、当該催物の主催者の承諾を得ないで、公衆に不安又は恐怖を覚えさせるようない集、集会又は示威行為を行うこと。
三 現に暴走行為を行っている者に対し、当該暴走行為を助長する目的で、声援、拍手、手振り、身振り又は旗、鉄パイプその他これらに類するものを振ることにより暴走行為をあおること。
四 公共の場所において、正当な理由なく、自動車等を乗り入れ、急発進させ、急転回させる等により運転し、又は空ぶかしさせること。
2 何人も、前項各号に掲げる行為を指示し、又は命令してはならない。
(中止命令等)
第十七条 前条第一項第一号の行為が、本市の管理する公共の場所において、特異な服装をし、顔面の全部若しくは一部を覆い隠し、円陣を組み、又は旗を立てる等威勢を示すことにより行われたときは、市長は、当該行為者に対し、当該行為の中止又は当該場所からの退去を命ずることができる。
(委任規定)
第十八条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
(罰則)
第十九条 第十七条の規定による市長の命令に違反した者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
附 則
この条例は、平成十四年四月一日から施行する。ただし、第十九条の規定は、同年五月一日から施行する。
以上
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