参加者 RON 「RONの六法全書 on LINE」管理人。
実施
2002.07.20〜24
初日 |
何だか一身上の都合で悲しいことになったっぽいので,もやもやを晴らしに行こう!(曖昧だなあ) とにかく遠くに行こうな。 今回の舞台はここだ(Yahoo!地図)。 20日(土) 夕方に西広島駅を出発,普通列車をどんどん乗り継いで博多へ。さらに夜行特急に乗り換える。 |
2日目 |
21日(日) 早朝,西鹿児島駅に到着。割と遠くまで来たぞ。取りあえず駅前のコンビニで朝ご飯を調達。 バスで市内の鴨池港へ行き,桜島を眺めながらフェリーで大隅半島の垂水港へ。桜島は盛大に噴煙を上げることもなく,静かに「どすん」と落ち着いているだけだった。物足りない…。 港からバスで一気に佐多町大泊へ。ここは大隅半島の南端だ。バスを降りると最南端へ続く有料道路のゲート,小さな雑貨屋とラーメン屋が一軒。ラーメンの具で言うと,いずれもチャーシューや味付煮卵ではなくヨレたシナチクの風情なのだ。そのラーメン屋でおばちゃん店主と二言三言はなしながら昼食。 最南端へは,車かバイクで有料道路を走るかバスに乗るしか方法は無い。ちなみにこの有料道路は私有道路だ。鹿児島県をウロウロしていると,至る所で「いわさき」産業かコーポレーションの文字を見かける。どうやら航路を含む県内の交通や観光施設はココが牛耳っているらしい。この道路もそうなのだ。 さすが南の夏は暑い!とグッタリ気味で「風通しのいい所はどこだ〜」とバス停周辺をさまよっていると,断続的に銃声のようなものがはっきりと聞こえる。「なに?!こわっ!」間違って何かがこっちに飛んでこないだろうかとビクビクする。鳥でも撃っていたのかな。(後日注…獣避けの装置ではないかと…。) バスで有料道路の終端・佐多岬まで行くと,駐車場と土産物の売店がある。さらに歩いて短いトンネルを抜けると散策路になっている。この辺りでも野営はできるが,水道は無い。 さすがに九州最南端だけあって観光客がたくさんいるし,日なたでジッとしようものならすぐさまに健康不安説が流布しかねない程の暑さなのでココでのテント設営は行わないことにした。 再びバスで大泊へ戻るとバスの運ちゃんが 「これからどこ行くの?」 と訊くので, 「近くにキャンプ場ありますよね,そこへ。ここからどれくらいですか」 「だったらアレだ,こっちだ」 ハンドルをぐるっと回して1分くらいのキャンプ場が見えるところまで乗せて行ってくれた。えええー良いの?一応営業路線上だったようだけどさ。改めてありがとう。 入り江の砂浜に張り付いたような形のキャンプ場は無料で,炊事場もシャワー棟もトイレもある。そうか,海水浴場なんだココは。 コンクリ防波堤の上で浜を眺め海を眺め空を眺めぼんやりしてもやもやの考え事をして昼寝をしたら,砂浜に焦げ跡がいくつもあることに気が付いた。「そうだ!焚き火しよう」 浜中を行ったり来たりしながら,めぼしい流木を抱えたり担いだりして集めるとかなりの量になった。その半分をドンと積んで火のついた新聞紙を突っ込むと拍子抜けするくらい簡単に燃え上がった。人のいる前でカッコよくてきぱきちゃっちゃとやろうとする時には全然つかないのに。しばらく眺めていたが炎天下で火を燃やしたりしてバカじゃないかと正気に戻り,再び防波堤の上にひっくり返った。 夕方になると二組いた家族連れはいなくなり,新たに素潜りの道具と銛を持った若い二人組が来てさらにどこかへ行ってしまうと,辺りには誰もいなくなった。 湯を沸かしてカップラーメンを食べ,ウイスキーを飲みながらまたぼんやり海と焚き火を眺めていると,日没後に素潜りの二人が戻ってきた。 「(焚き)火,使ってもいいですか」 「はい,どうぞ」 何やらしている様子だったが,テント近くの死角にいたので分からない。しばらくすると一人がやって来て 「今日は助かりました。これはお礼です」 「え,いいんですか,こんなの貰っちゃって」 伊勢エビとサザエが一つずつ。獲れたてだ。なるほど,コイツを焼いて食べてたのかな…。 話をしていると福岡から引越して来て転職し,素潜り漁をやっている漁師だということが分かった。 「ウイスキーあるんですけど飲みますか」 「もう1回潜るから,その後でやりましょう」 休憩を終えた二人が再び消えた後,貰った伊勢エビとサザエをアルミホイルでぐるぐる巻きにして焚き火の中へ放り込んだ。 「おわー,うまいなこりゃ」 ここ数年でエビアレルギーっぽい体質になったということに薄々感づいていたのだが,「鮮度がイイやつなら大丈夫!」「こんないいものもらったのに食わないでどうするよ」と,かぶりついてしまったのが運の尽き。 猛烈なカユみとじんましん。そして熱。 「マジでか!?」 こんな時に…。幸い塗り薬があったのでカユいところに塗りまくるとビックリするくらいの即効性で小康状態に治まった。オイラックス・クール(藤沢)万歳。 よろよろと外の物を片づけてテントの中でグッタリしていると,あの二人の声が聞こえる。 「あ,もう寝ちゃってるよ」 ごめんなさい。サケを飲むどころじゃないよ。体中の肌は熱っぽくボッコボコに腫れ上がってるし。理由なんて言えない。 狸寝入りを決め込んでいると車は去って,自分も本当に眠ってしまった。 |
4日目 |
22日(月) 快復し,近くのホテルのロビーでちゃっかり新聞を読んだりした後にバスで根占港近くの根占温泉へ。朝風呂で身上潰してやるぞ。 「まだお湯が張れてないから無料でいいですよ」 「え?」 「あ,大きい方のことで,小さい浴槽は入れますから」 一度渡した数百円を返されてしまった。 体を流してスッキリ。入れなさそうな浴槽は無かったけど,何だったんだろう。 フェリーで薩摩半島の山川港へ。船で食べるうどんってナゼおいしいんだろう。お昼時ともあって,売店に大勢が群がっていた。 さらにバスで薩摩半島最南端の長崎鼻へ。蟹ばさみのような形の鹿児島県の東が大隅半島で,西が薩摩半島です。念のため。 長崎鼻は佐多岬よりも観光地化され,土産物屋が軒を連ねている。岬の先端には灯台があり,さらに波打つ岩場まで降りられる。岩場にはセメント塗りの歩道があってかなり先まで歩いていけるが,一部崩れているので要注意。 長崎鼻オートキャンプ場は有料だったが,その隣には東屋も芝生も水道もトイレもある「キャンプしてよ!」と言っているようなロケーションの公園があったので設営。洗濯した物をロープに干す。 ベンチに寝っ転がって空をぼんやり眺めていると,オートキャンプ場目当てらしいライダーが一人。 「ここキャンプ場ですよね」 「あっちはそうだけど,ココはただの公園みたいですよ」 「そう,ここにテント立てていい?」 「どうぞどうぞ」 香川から来たと言う同い年のスズキGSX1300のヒトは 「お酒は(飲む)?」 「のんべえですから」 ビール・缶酎ハイとつまみの買い出しに行ってくれた。その帰りを待ちながら砂浜になっている海岸まで降りてみたりしているとすっかり日が暮れた。 そして2人で22時か23時頃まで話をしながら飲み,電話番号とメールアドレスを交換した。 |
最終日 |
23日(火) 太陽の熱を思いっきり吸収したセメントブロックの上に設営したので,テント内は想像を絶する暑さだった。アルコール分解のためもあって水をがぶ飲みしながら寝る。 朝,撤収してお別れ。 バスで山川駅まで。西鹿児島で特急に乗り久留米で乗り換えて由布院へ。外湯に浸かる。ふー。 ところが,バスタオルで体を拭くと謎の大量血痕が付いているのだ! 「なに?」 耳たぶの下から大出血。なぜ…。そう言えば湯船に入ったら先に入っていた二人が出て行ったなあ,その時から既に…?(もともと脂肪腫ができやすかった所が何かしらの理由で化膿したと思われる。が,耳から血を出してるヤツが湯船に入ってきたら逃げるよな,そりゃあ。) あまり深く考えないことにして,列車で大分へ。特急に乗り,小倉で乗り換え。普通列車と快速を乗り継ぎ24時過ぎに 広島駅に到着。タクシーで帰宅。 さて,この旅行で「もやもや」は完全に晴れなかったらしく,約1か月後に四国へ旅立つ自分がいるのでした。(第13回旅行記へ続く) 備忘: 西鹿児島駅 正面口左手にコンビニあり。 鴨池港 付近での物資調達は困難。 垂水港 売店あり。市街地まで距離あり。 佐多岬 大泊 ラーメン屋一軒。商店一軒。物資調達可ただし心細い。 大泊キャンプ場 大泊バス停から徒歩圏内,観光ホテル(エントランス前にバス停あり)直近2分。 無料。海岸砂浜・遊泳可能,湾。テントサイトおよそ20。 トイレ・更衣棟・炊事場・駐車場あり。ゴミ箱なし。 ホテル内に飲料・たばこ・氷自販機・公衆電話・売店あり。 根占港 港から左手,橋の向こうにコンビニあり。 右手,徒歩数分で温泉(300円)あり建物内にレストラン。 山川港 港左手に酒屋・商店あり調達可。 南海郵船フェリーはいずれの路線も船内売店・うどんコーナーあり。(後日注:航路廃止) 長崎鼻 土産物屋多数。一般物資調達は不可。 長崎鼻オートキャンプ場(1300円)・公園 公園は水道各所・トイレ・芝生・東屋・駐車場あり。周辺ゴミ箱なし。 飲料自販機は隣地(徒歩1分)にあり。海直近。砂浜。波強い外海。開聞岳眺望良好。 GS直近,バス停は長崎鼻よりもフラワーパークが近い(徒歩7分)。 山川駅 有人。周辺に商店なし。 湯布院(由布院) 飲食店,土産物店多数。一般物資調達は疑問(コンビニあり?)。 共同湯(100円)徒歩圏内。 |