所得税の確定申告を済ませました。私自身の分はe-Taxでオンライン申請。家族の分は紙媒体で特設会場に持って行きました。
e-Taxシステムの詳細は国税庁のサイトを参照していただくとして、e-Taxを利用する場合どういうメリットとデメリットがあるのか簡単に記します。
まずe-Taxのメリット。
(1) 申告書類等を印刷し、税務署に持ち込んだり郵送する手間とコストを省ける。
(2) 添付書類(源泉徴収票や医療費領収書等)の提出が不要(保管義務はある)。
(3) 平成19年分または平成20年分の所得税申告において、最高5,000円の税額控除ができる。
前二者はオンライン申告の物理的メリット。最後は金銭メリットです。ただし、税額控除である以上、納付すべき所得税額が5,000円に満たない、あるいは全くない場合は恩恵が減少しまたは全くないのです。しかし、この5,000円の税額控除がe-Tax普及にかける国税庁の意気込みの表れなのです…。
次にデメリット。というかコスト。
(1) コンピュータを用意する必要がある。これは今時なら大丈夫でしょう。
(2) 電子証明書を用意する必要がある。一般の人が何これ?と思う箇所ですたぶん。
(3) 前項に付帯して、ICカードリーダを用意する必要が生じる場合がある。
紙には印鑑を押せば本人が作成したものと推定されますが、デジタルデータには印鑑を押せませんから電子署名を添付する必要があります。電子署名には電子証明書がセットで必要となります。
電子証明書は「電子署名及び認証業務に関する法律」または「地方公共団体の認証業務に関する法律」に基づいて発行されます。(e-Taxで使用できる電子証明書はこちらのページを参照のこと。)
私は業務上、日本商工会議所が発行するタイプ1-G(行政書士用電子証明書)を取得しているので、これにかかるコストは0と計算してもいい…かな。しかし2年間で14,700円の利用料金はそもそも高すぎる。
一般の方が簡単に電子証明書を手に入れる方法は、地方公共団体が発行する「公的個人認証サービス」だと思います。これは、住民基本台帳カードに電子証明書データをぶっ込む方法を採っています。従って、市町村役所で住民基本台帳カードの交付を受けることが必要となります。さらに、これに電子証明書データをぶっ込む手続が必要となるのです。
広島市の例でいえば、住民基本台帳カード(有効期間10年。他市町村に引っ越した場合は無効。電子証明書も同じ)の交付に500円、電子証明書(有効期間3年)のぶっ込みに500円かかり合計1,000円。
こうして手に入れた電子証明書を、申告書のデジタルデータとくっつけなければいけません。ICカードの中のデータをコンピュータに読ませるために、市販のICカードリーダが必要となります。これが約3,000円から。(ちなみに行政書士用電子証明書はオンラインで交付されるのでリーダは不要です。カードそのものが存在しません。)
これら表面的なコストは約4,000円なのですが、役所に出向くコストや送料あるいは店舗に買いに行くコストなどを合わせるとe-Taxのメリットである税額控除5,000円その他のメリットを超えてしまうのは明白です。
既に別の目的で電子証明書やリーダを持っている場合や、1つのリーダで複数の(家族の)ICカードを利用する場合などを除いては金銭的なメリットを見いだしにくいのが現状です。
そして注意すべき点は、この税額控除は平成19年分または平成20年分の申告いずれか一方にしか適用できないことです。毎年5,000円ではなくて、一発5,000円ポッキリ。
毎年の申告会場のお祭り騒ぎっぷりを見ていると、もっと、こう、e-Tax利用者に対して恩恵を与えるべきではないかと思うのですが、どーうですか国税庁さん。
写真は、スキーツアーに持って行こうと思って買ったものの、結局持って行かなかった竹鶴12年。スクリューキャップじゃないから、持って帰るとき大変だと思って…。
【竹鶴12年 08.02.08】
コメント