1日目(広島・網走) | 2・3日目(屈斜路・洞爺湖) | 4〜6日目(網走・サロマ湖) | 7日・8日目(登別・広島) |
2日目 | |||
先行きに不安を感じながらも引き続きボーゼン態勢をとり続け、 0530 前夜の運転手に頼んで予約していたタクシーで網走駅へ。予定では、ここから始発のバスでサロマ湖方面へズバッと進撃するはずなのだが、肝心の「ブツ=ブタンガス」が無い。店が開いた頃に調達できたとしても、朝のうちに湖畔に立つことができない。これでは何のために宿をとったのか分からない。 ここで、「サロマ湖から無事帰還、ホッと一息」のシチュエーションを想定して予約した宿を、改めて出発地点に据え、攻略を先延ばしすることを決めて列車で川湯温泉へ向かうことにした。 列車を降りると温泉街行きのバスが停まっていたのでさっさと乗り込んだ。すぐに終点に到着し、バスターミナルの地図を眺めると屈斜路湖まで行けそうだったので、歩いて3〜4kmの道のりを歩くことにした。 大げさなアップダウンもなく、1時間弱で湖面が見えるところまでたどり着けた。湖面は全面にわたって結氷していて、わずかに温泉の排水が流れ込む湖畔だけが水面を見せていた。そのわずかな水面には白鳥が数羽、泰然自若と羽を休ませていて、近寄っても気付く気配すら見せなかった。
再びバスターミナルへ戻ると、大阪から一人で来たという女の子が窓口のおじさんに「摩周湖を見に行ったら晴れわたっていて湖面が見えた」という話をしていた。その話を聞いていると、摩周湖へ行ってみるべきだったと後悔した。いや、下心じゃなくて。晴れの摩周湖が観られる機会は非常に少ないらしい。 再び列車で摩周へ寄り、不要なものを自宅へ送り返してから駅のそばの食堂でみそラーメンの昼食。 さらに列車で釧路へ行く途中に釧路湿原で降りると、実はその列車がこの駅に停まる最終便だったことに気が付く。待合室での一泊が頭をよぎったが、反対方向への列車が一便だけ残っていたので戻ることにした。自由になる時間は約30分。高台の展望台へ行こうとしたが、先が長そうだったので途中で湿原の写真を撮って引き返した。
釧路湿原から塘路に戻ると、釧路行きの列車まで90分ほどあるので、塘路湖を見に行った。既に日は落ちて薄暗い湖面を眺めているとテンションは下がるばっかり。塘路駅には駅員はいないが、待合室の一角に喫茶店のカウンターがある。駅に戻ると、その喫茶店のマスターが電話の応対をしていた。待合室には私とマスターともう一人の旅行者風がいるだけ。耳に入ってくるその内容はどうやら取材のようで、この駅舎に店を開いた経緯などを問われ、答えていた。 釧路駅へ着き「メシだ、メシだ!」と、確か3年前にも入った駅ビル1階の店でいくら丼を食べる。その後23時の夜行特急までジリジリと待ち、缶ビールを1本飲んで札幌へ向かった。 | |||
3日目 | |||
6時前に札幌に到着。7時半の特急で洞爺へ向かう。バスに乗り換えて峠を越えると2年前と同じ姿の湖があった。バスターミナルに荷物を置いて桟橋の方へ歩くと、ちょうど遊覧船が出航するところだったので慌ててチケットを買って乗り込む。洞爺湖の中心部には島がいくつかあって、遊覧船の案内によるとそれぞれにアイヌ語の名前が付いているのだそうだ。もっともだ。そもそも北海道にはそういう地名が多いしね。 約30分の航海(航湖?)を終えるとすっかりお腹が減っていた。2年前にフラッと入った店のいくら丼と、そのときテレビに映っていたNHKの連ドラの光景を思い出したので、記憶を頼りに温泉街をさんざん歩き回ってみるが、それらしき店は結局見つからなかった。潰れてしまったのか、たまたま休みで看板をしまってひっそりとしていたのか…。バスターミナル周辺で「いくら丼」の文字を見つけたので、その店に入って注文をすると「イクラを切らしている」と言う。身悶えするほど悔しがりながら、にしん丼とお酒を頼んだ。店のおばちゃんが一升瓶とコップを持って来るや「正月に出してた『にごり酒』が残ってるけど、出しましょうか?」と言うので(えっ、いくら?べらぼうに高いとかそんなことないよね)と思いつつにごり酒の誘惑が先立って「ソレ、お、お願いします」の返事。にしん丼には特筆すべきコトは無かったけど、その「北海白馬」の小瓶は旨かった!ネタ帳によると「甘口か辛口か判断に困ったが、終わりの三口くらいで辛口だろうと感じた。が自信が無い」とある。旨ければどっちでも良いんだけどね! 店を出て昭和新山行きのバスに乗ると、十数分で到着。目の前に、山肌から水蒸気を噴き出している赤茶色の岩山がそびえている。
戻るためのバスまで時間がないので、すぐにロープウェーに乗って有珠山腹540m地点へ。有珠山は標高733m、昭和新山は398mの活火山。ロープウェー終点の展望台からは新山を見下ろす形になる。少し離れたところに別の展望台もあるのだが、心残りだけども見送ることにした。
展望台付近で英語を操るアジア系の若い旅行者たちに頼まれて写真を撮ったり撮ってもらったりしつつ、背後の有珠山をしっかり目に焼き付けて洞爺湖温泉街に戻り、洞爺駅から登別を経て白老という駅まで行く。札幌から乗る予定の夜行列車まで時間を潰さなければならないのだ。徒歩旅行で一番辛いところだ。大きな荷物を背負っていては少し足を伸ばすことも難しいのだ。
それにしても、一昨年に訪れた洞爺湖温泉街に噴火の跡を認めることはできず、噴火や泥流による被害がどれだけ周辺に影響を与えたのか、有珠山を間近に観ても全く感じ取ることができなかった。駅と温泉街の途中に火口入口というバス停があったが、そこで降りてその火口を眺めることができたら全く違う印象を受けたのかも知れない。しかし、既に報道された姿の荒々しい有珠山はもう存在しないのかも知れない。 札幌駅でホットドッグとビールの夕食。もう疲れているからか、食欲があまり無い。横になって眠りたいが明晩まで叶わぬ夢。網走行きの夜行特急に乗る。 |
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