参加者 | |
RON | 「RONの六法全書 on LINE」Webmaster。 司法書士受験生。身分は一応大学生。 |
1・2日目(東京・室蘭) | 3日目(サロマ湖) | サロマ湖・その2 | 最終日まで |
初日 |
三たび、私は冬の北海道・サロマ湖へ行くことを決めた。 そもそも何故サロマ湖なのか。 第8回野宿旅行 in 北海道(以下、「第1回アタック」と言う。)のいきさつによると「小さい頃に図鑑で見た、細長く延びるサロマ湖砂州が水で分断されている不思議な光景(湖口)の空中写真の現場をこの目で確かめたくなった」ようなコトが書いてある。 [解説図:準備中] 第1回アタックで私は運良く長大な砂州を歩き、恐怖の薄氷を踏みしめて湖口を越え、北海道最大の湖を南東から北西へ単独踏破することに成功した。しかし、そこには「ゲンバをこの目で確かめる」ような余裕は無かった。私は一番重要なことを果たせなかったのだ。 第9回野宿旅行 in 北海道(以下、「第2回アタック」と言う。)ではゲンバを確かめるべく、より近い地点からのアタックを試みたが、それが裏目に出てしまった。詳しくは第2回アタックの模様を参照されたい。 重量の割に無防備な装備で無人地帯を独りで歩くという負担と、いつ割れるとも知れない氷の上を何キロも歩くという負担がドカンと壁になって現れていたのだ。 具体的には、たかだか体重 45〜50kgの人間が 20kgの荷を背負って雪上を歩くこと、体調悪化などのアクシデントが発生しても助けてくれる人間がいないこと、それどころか発生したことすら認知してもらえないこと、氷が割れたらイッパツでシボー確定ということ。総じて、厳しい環境のもとで精神的な支えが無いことだ。 しかし私は湖口を確かめたかった。汽水湖の海と湖を隔てる砂州が途切れてしまう地形をじっくりと確かめたかった。ナゼだか分からないが。 とゆーことで、私は最小限の投資をもって「ゴム長で雪上を歩くことは体力を著しく消耗する」という阻害要因を排除するために「スノーシュー(西洋かんじき)」を購入し、たったそれだけでその他の問題点すら克服できたような気持ちになった。 16日1600頃、自宅を出発し京王線・中央線・山手線・常磐線を乗り継いで 2010頃に水戸駅に到着した。 慌てて家を出た割には早く着きすぎて、大洗フェリーターミナル経由のバスを1時間以上待つことになった。 2200頃、大洗FT着。フェリーのチェックインをする。北海道航路は、もう何度も利用しているので何から何までお見通しだ。「お見通し」って? 「本日、タラップが故障中ですので…」 ということで、初めての岸壁からの乗船となった。「お見通し」じゃないじゃん。 ※…タラップ…2階待合室から空港のように渡り廊下がフェリー甲板に伸びているのだが、どうも可動部分が故障したらしい。ほかに故障する部分って無いだろう。 勝手知ったる船、東日本フェリー(2003年に倒産)「へすていあ」の2等船室でビールを飲んでいると、「車両積載の都合で出航は定刻から10分遅れます。」とのアナウンス。 イレギュラー続きで、なぜかちょっと嬉しくなったりする。しかし、いま思うとイレギュラー続発のこの旅の行く末を暗示していたのかも知れない。 2340の出航後、しばらくすると2等船室は消灯された。時間が早いことと、旅の興奮もあってなかなか寝付けなかった。 2等船室というのは、小中学校の教室の1.5〜2倍くらいのカーペット敷きの部屋に簡易まくらと毛布などがあるだけの雑魚寝クラスだ。2等寝台は2段ベッド、1等と特等は個室なのだ。 |
第2日 |
0830頃、頭がボーっとしているまま風呂に行く。銭湯のような広い浴場は貸し切り状態だった。ワーイ。 大きな窓越しに、遠くの貨物船が見える。望遠鏡か何かで覗かれていたら丸見えだ。まさか女湯もこんな状態じゃないよねえ。曇りガラスか何かなのか。気になる。 なんだか眠いので再び寝て 1145頃にレストランで食事。寝てばっかりだから、あまり食欲がない。チャーハン(スープ、サラダ付き)650円。 2等船室へ戻って見回してみると、自分以外の乗客は3人しかいない。みんな男。つまんないのでまた寝る。 自販機のカップそばを食べたり荷物をパッキングし直したりしていると、1800頃に室蘭港に入港した。港内が結氷しているので、ゆっくりと氷をかき分けながら進む。まるで砕氷船のようだ。結局、氷のため密着接岸ができなかった。ロープを降ろしてウインチで思いっきり巻いても岸壁との間に 50〜100cmの隙間ができてしまうのだ。こんなコトもあるのかあ。 1825。接岸できないとタラップが使用不能なので、車両甲板からの下船ということになった。車両甲板に立ち入ったことも、そこから徒歩で下船したことも今まで無かったのでちょっとラッキー。 フェリーターミナルから徒歩で室蘭駅へ。2059 札幌駅着。 次の列車まで間があるので、ドトール(なぜか大混雑)へ。この旅行記のネタ帳を書いて、白いサロマ湖を思い浮かべるとゾクッと来たので中川に電話をした。 「後のコトは頼んだ。」「26日になっても連絡が無かったら然るべきトコロへ通報してくれ。」 「どこへ?」 「知らん。勝手に調べてくれ。」 どこまで本気なのか、私はテキトーなコトを言い残して電話を切った。気分が少し軽くなったかというと、あまりそうでもないような気がする。何だ。 2209。札幌発網走行きの特急に乗る。1本だけビールを飲む。ここで2本3本と飲まないところがオトナだ。 グビグビと飲んでウトウトし始めたが中途半端なアルコール量のせいか寝付けず、1時間おきくらいに目が覚めた。 |
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