いきさつ | 1・2日目<東京FT・太平洋上> | 3日目<苫小牧FT−納沙布岬> |
4日目<川湯温泉> | 5日目<サロマ湖徒歩縦断1> | 6日目<サロマ湖徒歩縦断2> |
7日目<稚内・宗谷岬> | 8・9日目<苫小牧FT・東京FT> |
6日目<サロマ湖徒歩縦断2> | |||||||||||||||||||||||||||
もう読み飽きたかとも思うけどこの日も午前3時には、おめめパッチリ。 雪をパーコレーターに詰めてお湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、ストーブを全開にしたりして、何とか暖を取ろうとする。テント内の気温は零下10度。 バスの中で食べたカツ丼以来の食事(ミニカップヌードル)を摂る。 明るくなるまで撤収できないので、じっと耐える。 6時撤収開始。7時前に出発。 歩く。景色が昨日と全く変わらない。
歩く歩く。 スノーモービルの轍も東へ戻って行ってしまったので、湖上を歩く。
歩く歩く。 8:45 右手の防砂林がなくなる。もうすぐ湖口かな? 歩く歩く。 ミニペットボトルの雪解け水もなくなった。 非常食として確保したアーモンドチョコも底をついた。 9:45 最後の休憩。 進行方向に、流氷をせき止めるネットらしきものが見えてきた。 迂回する。 積雪が減ってきて、明らかに氷の色も変わり、厚さが減っていくのが歩く感触からも分かる。 十数メートル先は結氷していない(!)。 氷が割れる恐怖で立ち止まりもせず、一心不乱に歩く。 天気が悪くなって雪が降ってくる。風が強くなる。 森高の歌も歌っている場合じゃなくなる。 歩く歩く。 「がんばれぇ〜負けるなぁ〜力の限りぃ〜(by 小須田部長 in 笑う犬の生活;JOCX)」 11:00 ショートカットしたい気持ちを抑えながら湖口を迂回し、ついに上陸する。 上陸してしばらく歩くと、道路と展望台が見えてきた。 (湧別まであと10キロ歩かないといけないのか・・・うぅ) すると、何と!バス停が! RON御用達の大判時刻表に載っていない町営バス路線が存在したのである。
足は確保できたので、さしあたって水分と食料の補給がしたい。 ところが、民家はあれど自販機が無い!あったとしても段ボールでぐるぐる巻にされているか、電源が入っていない。当然、商店なぞ一軒も無いのである。 荷物をバス停に置き去りにして歩くこと30分。 うらぶれたラーメン屋を発見!! 迷わず突入すると、もう何年も客が来ていないのでは・・という店構えであったが、背に腹は代えられないのでラーメン(\500)とコーラを頼む。 と、「コーラ無いよ。」 うーむ。サイダーなら有るというので頼む。すると出てきたのは昔なつかしの350mlびん。これが300円なのね。 そしてラーメン(味なんか分からない)を平らげると生きた心地が戻ってきたのでバス停まで戻って展望台に上がってみることにした。 するとその途中で、湖口を迂回する原因となった例の謎の構築物の正体が判明した。 これによると、必死に迂回した距離は約2キロらしい。 なんというはた迷惑な!と思ったが、もし流氷が流入していたらボッコボコの湖面になってしまって、歩くどころの話では無かったかも知れないと考え直す。 さて、展望台からオホーツク海を眺めると、水平線の彼方まで流氷がぎっしりと詰まっている。 念願の一つであった流氷乗りなんて簡単に達成できるのである。何だか拍子抜けなのである。
取り敢えず100mほど海を歩いてみたが、きりがないので戻る。 後で気が付いたのだが、流氷をなめてみるのを忘れていた! 果たして流氷は塩味なのか、普通の氷なのか・・・。知りたいぞ!! なんてことをしていると、バスの来る時間になったので停留所に戻る。 後々のために慌てて時刻表をメモってバスに乗る。 乗り合わせたおばちゃんが話しかけてきて、 「どっから来たの?」 「東京からです。」 「そーう、流氷見に来たのかい?」 「えぇまあ、常呂の方から歩いて渡ってきたんです。」 「へーえ、そりゃ大変だねぇ。あの、川みたいになってる所(湖口)はどうだった?」 「えぇーなんとか歩いて渡れましたよ。」 「そうかい、今はいいけど、夏は歩いて渡れないからねえ。アハハ。」 「そりゃあそうでしょうねぇ。ハハハ。」 「ごはんとかはどうしたんだい?」 「レトルトの物を持ってきたので・・。ガスでお湯を沸かしたりして。」 「そうかい。あのねぇ、昔、こんな立派な道路が無い頃ね、じいさんが冬の夜に湧別の方から歩いて帰っていたんだよ。そしたら、力つきて歩けなくなって、『めーし、持ってこーい!』って叫ぶんだよ。『めーし、持ってこーい!』ってね。『助けてくれー』って言えばいいのに、『めーし、持ってこーい!』って。おかしくって。ハハハ。」 「めし持ってこーいですかぁー、アハハ。」 「そうそう、あ!あの人のダンナさんなんだよ、それが。いや、話してたら歩いてたよ!アハハ。」 バスとすれ違った婆さんのダンナが「めーし、持ってこーい!」の人らしい。 途中で釣り人じいさんが生臭いにおいの木箱(車内が暖かいので傷まないか心配だった)を引きずって乗って来たときは 「今日はどうだった?」 「14,5匹ってとこだよ。」 なんていう話好きのおばちゃんも降りてしばらくすると湧別に到着した。 バスを降りると目の前に遠軽駅行きのバスが出ようとしているところだった。 慌てて乗り込む。 遠軽駅に着いたが、これ以降の予定を立てていなかったので、とりあえず網走に戻って夜行で札幌へ行き稚内方面に挑む方針を決めた。 17:20頃遠軽を出て北見で乗り換え、網走には19:50頃に着いた。 駅前のファミレスで久しぶりのまともな食事を摂って、22:15網走発札幌行きの特急に乗った。 缶ビールを1本空けた頃に照明が落ちて、暖かい車内で眠りについた。 |
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